睡眠時無呼吸症候群(SAS : sleep apnea syndrome)
睡眠中に無呼吸を繰り返し起こす疾患です。
結果、十分な睡眠がとれず、日中の強い眠気や集中力の欠如が起こります。
日中の作業能力低下、居眠り運転など事故を起こしやすくなります。
睡眠時無呼吸症候群の定義
一晩の睡眠中に睡眠段階に無関係に10秒以上の無呼吸が30回以上、または睡眠1時間あたりの無呼吸数(無呼吸指数apnea index:AI)が5回以上出現する症候群」とされています。
中枢型と閉塞型に分類され、歯科的口腔内装置の適応は気道閉塞によって無呼吸が引き起こる閉塞型です。
閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAHS)に対する治療法として口腔内装置治療(スリープスプリント)が有効と診断され、医科医療機関からの診療情報提供に基づき口腔内装置治療の依頼を受けた場合は健康保険の適応です。
睡眠時無呼吸症候群の症状及び所見
- 肥満
- いびき
- 日中の過度の眠気
- 不眠
- 夜間の多動
- 夜間多尿 / 夜尿症
- 早朝の頭痛
- 性格の変化と精神症状
- その他
と多岐にわたります。
睡眠時無呼吸症候群は多領域が関連する疾患です。
有病率は、全人口の約2~4%ともいわれています。社会的影響も大きいので、適切な診断と治療が不可欠です。
治療法
経鼻式持続陽圧呼吸療法
経鼻式持続陽圧呼吸(nCPAP)療法
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の第一選択です。
経鼻的に上気道に一定圧の空気を送り込んで、上気道を常に陽圧に保つことにより上気道閉塞を防ぐものです。
歯科的口腔内装置
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療法として有効と診断され、医科医療機関から依頼を受けた場合に行います。
下顎を前に出して咽頭の開大を図り、舌根沈下の予防をするスリープスプリントが主に用いられます。
※説明文とイラストは「スリープスプリント療法 / 砂書房」より引用しております。